02.基礎方程式|動解析入門
本項では動解析の理論について簡単に説明したいと思います。本項(第2項)は理論的な背景について知りたい人のみ参照してください。動解析についての概念的な話と実例については第3項以降で説明していきます。
動解析における基礎方程式
動解析における基礎方程式は下式(2-1)のようになります。
・・・(2-1)
[M]:全体質量マトリクス、[C]:全体減衰マトリクス、[K]:全体剛性マトリクス、{F}:全体荷重ベクトル、{x}:全体変位ベクトル(上部に付いているドットの数はその微分の階数を表す)
ちなみに静解析の場合の基礎方程式は以下のようになります。
・・・(2-2)
静解析の基礎方程式に関しては『FEMを体感しよう』や『FEM基礎理論』で解説していますので参考にしてください。
静解析の場合と比較して動解析では慣性項(質量マトリクスを含む項)と減衰項(減衰マトリクスを含む項)が追加されています。動解析は慣性力の影響を加味した解析であると前項で述べましたが、これはまさに慣性項の追加で式に反映されています。式(2-1)では更に減衰項が追加されています。減衰は運動を抑制する力として働き、自由振動では振動を減衰させたり、強制振動では共振のピークを抑えたりなど、動的な現象において重要な役割を果たします。
動解析には基礎方程式(2-1)をどのように解くかによって、いくつかのな手法があります。次項以降でその代表的な手法の理論的背景について解説していきます。