02-2.周波数応答解析理論(直接法)|動解析入門
基礎方程式の導出
既出ですが、改めて動解析の基礎方程式を以下に示します。
・・・(2-2-1)
[M]:全体質量マトリクス、[C]:全体減衰マトリクス、[K]:全体剛性マトリクス、{F}:全体荷重ベクトル、{x}:全体変位ベクトル(上部に付いているドットの数はその微分の階数を表す)
周波数応答解析では定常な正弦波加振に対する構造側の応答を計算する手法です。正弦波加振ですので荷重ベクトルを下式のようにおきます。
・・・(2-2-2)
{f}:全体変位ベクトル、eiωt:オイラーの公式(i:虚数単位、ω:角速度、t:時間)
この荷重による応答も正弦波になることが考えられますので、{x}を下式のようにおきます(固有値解析では固有ベクトルという意味を強調するためにφを用いましたが、今回はuを用います)。
・・・(2-2-3)
{u}:全体変位ベクトル、eiωt:オイラーの公式(i:虚数単位、ω:角速度、t:時間)
式(2-2-3)の1階微分、2階微分は下式にようになります。
・・・(2-2-4)
・・・(2-2-5)
式(2-2-3)、式(2-2-4)及び式(2-2-5)を式(2-2-1)に代入します。
・・・(2-2-6)
少し整理しますと
・・・(2-2-7)
上式に正弦波の角速度ωを代入した上で{u}について解くことが周波数応答解析です。ωの水準を増やすことで各振動数(ω/(2π))に対する応答を調べることができます。
式(2-2-7)を解く方法には直接法とモード法があります。直接法は名前の通り式(2-2-7)を直接解きます。モード法では固有値解析の結果を用いてモード座標系に変換した上で解く方法です。モード法については次項で説明します。