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解析モデル編集方法|Abaqusチュートリアル

(Abaqusバージョン:Abaqus 6.9 Student Edition)

本項では線形静解析事例で作成した片持ち梁のモデルを用いて、解析モデルの編集方法について説明します。実際の解析業務においても、形状や解析条件を変更しながら検討を進めることはよくあることだと思います。本項ではその基本的な手順についてまとめます。

解析モデル編集方法の基本

モデルツリー上で編集したい項目の右クリックメニューから"編集"を選択することで、ほとんどの設定項目について編集することができます。

下図は荷重条件"Load-1"を編集する場合の操作例です。

下図は材料特性"steel"を編集する場合の操作例です。

このように右クリック→編集という統一的な操作方法でほとんどの設定項目が編集が可能となっています。モデルツリーには階層がいろいろありますが、右クリックで選ぶ項目は作成の時に付けた名前となります。

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モデルのコピー

設計検討でFEMを利用する場合、同じメッシュのモデルで数種の異なる解析を実行したり、あるいは同じ解析でも形状が少しずつ異なるモデルを解析したりといった場面はよくあります。そのような場合、ファイルを別名保存して形状や条件を変更する方法もありますが、ここではモデルのコピーの方法について説明します。

メリットとしては別名保存でファイルを分けるより容量を少なく抑えることができますし、一連の関連した検討を一つのファイル(*.cae)にまとめることができる、などが挙げられます。あまり大規模なモデルでなければ、この方法が運用しやすいのではないかと思います。

とりあえず線形静解析事例で作成したモデルを開いておいてください。

モデルのコピー方法

モデルツリーにおいてModel-1の右クリックメニューから"モデルのコピー"を選択します。モデルの名前を変更している方は適宜読み替えてください。

上記操作で現れる"モデルのコピー"ダイアログでコピーして新たに作成するモデルの名前を入力します。自分で管理する上で解りやすい名前を入力してください。ここでは例としてModel-2とします。入力したらOKボタンをクリックします。

以下のように一つのモデルデータベースファイル内にモデルが2つ存在する状態となりました。この時ジョブはコピーされませんので、Model-2に対するジョブは新たに作成する必要があります。

このように一つの*.caeファイル内に複数のモデルをコピーで作成することができます。このやり方でコピーしたモデルに対して変更を加えることで、いろいろな水準を試すことが可能になります。もちろん、別名保存したファイルに対して変更を加える方法でも問題はありません。

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形状の編集方法

形状の編集例として片持ち梁の断面を□25×20から□20×20の正四角形断面に変更する方法を説明します。

コピーしたModel-2の断面形状を編集します。少し階層が深いですが、Model-2/パート/Pert-1/フィーチャ/Solid extrude-1/断面スケッチ と展開して、"断面スケッチ"の右クリックメニューから編集を選択します。

下図のようにスケッチ編集画面に切り替わります。

寸法を編集するには編集メニューから寸法を選択します(ここでスケッチを追加して形状を変更することもできます)。

ビューポート上で編集したい寸法をクリックします。

上記操作で現れる"寸法の編集"ダイアログにおいて、値を25→20に変更し、OKボタンをクリックします。適用ボタンによってモデルで形状を確認しながら変更することもできます。

プロンプトエリアの完了ボタンをクリックします。

そうしますと、以下のような警告が出ますので、確認してOKボタンをクリックします。

この段階ではまだ形状は変更されていません。上の警告に従ってフィーチャーの再構築を行う必要があります。フィーチャメニューから再構築を選択します。

更に、アセンブリモジュールでもフィーチャの再構築が必要です。今回はコンテキストバーからモジュールを切り替えてみます。コンテキストバーのモージュールのプルダウンメニューからアセンブリを選択します。

上記操作によって切り替えたアセンブリモジュールにおいてフィーチャメニューから再構築を選択します。この操作によってアセンブリにおいてもモデルが再構築されたことになります。今回は単品モデルなのであまり意味がないように感じますが、モデルデータベースの管理上必要な操作です。

下図のように断面形状が変更されました。この時、荷重や境界条件についてはそのまま残りますが、メッシュは削除されてしまいますので改めて作成する必要があります。

<補足>
今回編集例として用いている線形静解析事例のモデルの場合、荷重値を表面力として入力しています。表面力は実際の荷重値を表面積で割った値を入力していますので、断面寸法の変更によって表面積が変わりますので荷重条件の入力値も合せて変更する必要があります。

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要素タイプ、サイズの編集、メッシュの再生成

形状が変更されるとメッシュが削除されます。同じメッシュを作成したい場合はこちらの方法に従って新規にメッシュを作成してください。パートのシード、要素タイプ、メッシュコントロールの割り当てはそのまま引き継がれますので、"パートのメッシュ"アイコンによりメッシュを再生成するだけでよいはずです。

ここでは例としてすでにメッシュがある状態から、異なる要素(4面体2次要素の要素サイズ10)に変更する方法を説明します。

メッシュコントロールの割り当て変更

メッシュモジュールに切り替えた上で、"メッシュコントロールの割り当て"アイコンをクリックします。

上記操作で現れる"メッシュコントロール"ダイアログにおいて、4面体のオプションボタンをクリックします。OKボタンをクリックしてダイアログを終了します。

すでにメッシュが作成してある状態でメッシュコントロールを変更しますと、メッシュを削除するかどうかの警告が出ますので、"メッシュの削除"ボタンをクリックします。

要素形状を4面体に変更しますと、フリーメッシュが作成されることを示すピンク色にモデルが変わります。

要素タイプの割り当て変更

下図に示す要素タイプの割り当てアイコンをクリックします。

上記操作で現れる"要素タイプ"ダイアログにおいて、要素ライブラリ:Standardジオメトリ次数:2次ファミリ:3次元応力4面体の要素コントロール:修正の定式化のチェックを外す、に設定します。OKボタンをクリックしてダイアログを終了します。

要素の性質については別途説明しようと思いますが、"修正の定式化"は非線形解析、特に接触を含む解析で効力を発揮する設定です。今回は関係ないのでチェックを外して無効化します。

シードの定義

下図に示すパートのシードアイコンをクリックします。

上記操作で現れる"全体シード"ダイアログにおいて、近似全体サイズを10に変更します。

適用ボタンをクリックするとモデルのエッジ上に点が表示され、どのくらいのサイズなのかを確認することができます。よければキャンセルボタンをクリックします。OKボタンは設定を適用させた上でダイアログを閉じます。適宜使い分けてください。

メッシュの作成

下図に示すパートのメッシュアイコンをクリックします。

プロンプトエリアに"パートをメッシュ分割しますか?"と聞いてきますので、"はい"をクリックします。

メッシュ分割が完了すると下図のようにモデルで確認することができます。

ほとんどメッシュを新規に作成する過程と同じですね。はじめにメッシュに関する設定を変更したときメッシュが削除される旨の警告がでるということだけが、新規作成の時と異なるところです。

この編集したモデルに対して解析を実行する場合、新たにジョブを作成する必要があります。別名保存でモデルを編集している場合にはそのまま実行可能です。

<注意>
今回変更したメッシュでは1000節点を超えるので、Abaqus Student Editonで解析することはできません。

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