線形静解析 |Abaqusチュートリアル
(Abaqusバージョン:Abaqus 6.9 Student Edition)
まず手始めのチュートリアルとして片持ち梁の問題について線形静解析を実施してみたいと思います。この解析モデリングを通じて、ジオメトリの作成から解析条件設定、結果表示まで一通りのオペレーションを説明していきます。初めてAbaqus/CAEを操作する場合には本チュートリアルから始めることをお勧めします。
Abaqus/CAEを起動してください。セッションの開始というダイアログが出る場合には閉じておいてください。
パートの作成
Abaqus/CAEでは、他のアプリケーションから3Dモデルを取り込むこともできますが、Abaqus/CAE内で独自に3Dモデルを作成することもできます。本項では解析で使用する片持ち梁の3Dモデルをまずは作成していきます。
3Dモデルの作成手順としては、一般の3DCADの手順とほとんど変わらず、"断面をスケッチして押し出す"のような手順で作成することができます。
パートの作成
モデルツリーのパート上で右クリックして現れるメニューにおいて作成をピックします。ちなみにパートをダブルクリックすることでも同じ操作をすることができます。
以下のパートの作成ダイアログにより、どのような形状作成するのかを定義します。ここでは3Dモデルを作成しますので、モデリング空間:3次元、タイプ:変形体、形状:ソリッド、タイプ:押し出し、近似サイズ:100を入力します。最後の近似サイズ以外はデフォルト値です。ここで名前はPart-1というデフォルト値を使用していますが、アセンブリ構成なった時などに部品の識別が容易になるように個別に名前を設定することもできます。
近似サイズはスケッチ画面のサイズやグリッド間隔などを決めるための値であり、仕上がり形状寸法程度の値を入力するとよいです。今回は□25×20の断面をスケッチしますので、100程度の値を入力しています。
設定が終わりましたら、続けるのボタンをクリックします。そうしますとビューポートはグリッドが表示されたスケッチ画面に切り替わります。
断面のスケッチ
梁の断面、□25×20を作成します。後で寸法を入れるとして、まずは大まかに矩形を作成します。ツールボックスエリアにスケッチで使用するアイコンが多数用意されていますが、ここでは@に示す"直線の作成、矩形(4ライン)"をクリックします。これは対角に2点をクリックすることで矩形を簡単に作成することができるツールです。次にA、Bの順にビューポート上をクリックしてください。
次に寸法を追加します。
@寸法の追加アイコンをクリック。A寸法を追加する辺をクリック。寸法線が引き出されますので、B適当なところでビューポート上をクリック。C寸法値を入力して[Enter]キー。この操作を寸法を追加する辺に対してすべて行います。今回の場合矩形ですので、2辺に対して行います。
<補足>寸法値の編集について
ここで、追加した寸法に対して編集を行いたい場合は、編集メニュー/寸法で編集したい寸法をクリックすると現れる寸法の編集ダイアログで変更したい寸法値を入力します。
<補足>寸法値の削除
寸法を削除したい場合は、編集メニュー/削除で削除したい寸法をクリックしてプロンプトエリアの完了ボタンをクリックします。
すべての寸法の定義が終わりましたら、プロンプトエリアの赤い"×"ボタンをクリックします。これは寸法定義の作業をキャンセルするという意味です。
そうしますと、下図に示す様に断面をスケッチする作業の指示がでますが、本チュートリアルではこれ以上の形状は定義しませんので完了ボタンをクリックします。
奥行きの定義
上記の完了をクリックすると現れる"ベース押し出しの編集"ダイアログにおいて、奥行きに200と入力してOKボタンをクリック。
下図のように3Dモデルが完成しました。
今回はやりませんが、アセンブリの場合は同様の操作で複数のパートを作成していきます。この時それぞれの配置は考える必要がありません。別途説明するアセンブリの操作でそれぞれの部品をどう配置するかを決めます。
ファイルの保存
ここで一旦ファイルを保存しておきましょう。一般的なwindowsの操作と同じですから説明するまでもないかもしれませんが、ファイルメニュー/保存、もしくはファイルメニュー/別名保存、でファイルを保存することができます。これからは改めてこの操作は説明しませんので、時々保存するようにしてください。
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材料の定義
モデルツリーにおいて材料特性の項目の右クリックメニューから"作成"を選択(材料特性の項目をダブルクリックでも可)。
上記操作によって現れる"材料特性の編集"ダイアログにおいて、名前に"steel"と入力します。これは例であり、名前は何でも構いません。複数の材料を使用するときにちゃんと識別できればよいです。JISの材料名を入れてもよいかもしれません。さらに"材料特性の編集"ダイアログにおいて、メニューの機械的/弾性/弾性を選択します。
そうすると、材料挙動のリストに"弾性"の項目が追加されて、下側に"弾性"についての定義ができるようになります。ここで構造解析で使用するYoung率(弾性率)とPoisson比(ポアソン比)を入力します(参考:材料力学講座/弾性率)。単位系は整合性が取れていれば何でも良いですが、ここでは力としてmNを用いる単位系を使います。(参考:整合性の取れた単位系)
入力が終わりましたら、OKボタンをクリックします。モデルツリーの材料特性の項目を展開すると、今定義した"steel"が追加されていることが確認できます。
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要素特性の定義と割り当て
要素特性の定義
モデルツリーにおいて、要素特性の項目の右クリックメニューから"作成"を選択(要素特性の項目をダブルクリックでも可)。この時、自動で特性モジュールに切り替わります。
"要素特性の作成"ダイアログにおいて、名前にBeamSectionと入力、カテゴリでソリッド、タイプで均質を選択して、続けるボタンをクリックします。
"要素特性の編集"ダイアログにおいて、材料特性で先ほど定義したsteelを選択、OKボタンをクリックします。
要素特性の割り当て
上記で定義した要素の特性を3Dモデルに対して割り当てます。モデルツリーにおいて、パート、Part-1をそれぞれ展開します。Part-1の下位にある要素特性割り当てという項目の右クリックメニューから"作成"を選択します。
プロンプトエリアに"要素特性を割り当てる領域を選択してください"と出ますので、この状態でビューポート上の3Dモデル(Pert-1)をクリックします。マウスを3Dモデル上に置くとオレンジ色にハイライトし、クリックすると赤色にハイライトし、正しく選択されたことを確認することができます。正しく選択されましたらプロンプトエリアの完了ボタンをクリックします。
上記操作で現れる"要素特性割り当ての編集"ダイアログの要素特性で、先ほど定義したBeamSectionを選択して、OKボタンをクリックします。これにより梁の3Dモデルに材料特性をセットした要素特性が割り当てられました。
要素特性が割り当てられますと、下図のように3Dモデルの色が灰色からアクア色に変化します。
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モデルのアセンブリ
今回の片持ち梁モデルはパートが一つのみの単品モデルですが、複数のパートが存在するアセンブリモデルでは各パートがそれぞれ独立した座標系で存在しており、これから説明するアセンブリの操作によって各パートの配置を決める必要があります。
モデルに対してパートは複数存在できますが、アセンブリは一つに限られます。アセンブリはパートのインスタンスを生成してから、インスタンスを全体座標系でそれぞれ相対的に位置付けることで定義していきます。
インスタンスには、インディペンデントとディペンデントに分類されます。 インディペンデントは、アセンブリのインスタンスに対してメッシュ分割がなされ、 ディペンデントではパートに対してメッシュ分割されます。今回はディペンドを使用します。
まずはアセンブリにおいてパートのインスタンスを作成します。モデルツリーでアセンブリを展開してインスタンスの項目上の右クリックメニューから"作成"を選択します。この時、自動でアセンブリモジュールに切り替わります。
"インスタンスの作成"ダイアログにおいて、インスタンスタイプをディペンデントに設定してOKボタンをクリックします。
<補足>
今回は単品モデルですので一つのパートしかありませんが、複数のパートが存在するモデルでは複数のパートがリストされて必要なパートをインスタンスの作成ダイアログで選択します。これは3DCADにおけるアセンブリファイルに概念が似ているのですが、モデルおいてパートを個々に作成することはまさに部品ファイルを作成しているイメージで、それらをアッセンするファイルを作成することが、このアセンブリの機能です。Abaqus/CAEではそれを一つのファイルで実現しています。
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解析ステップの定義
解析ステップとはいわばシミュレーションする状況の定義と言えます。今回の場合、片持ち梁ですので片側を固定してもう一方の端に力を加えるわけですが、そのような状況を定義します。Abaqusの場合、Initialステップは必ず必要なステップで、主には初期状態を定義します。今回の場合では片側が固定された状況です。次に新規に作成するステップでもう一方の端に力を加えるステップを定義します。こういったステップの概念は線形静解析の場合はあまり意味がないかもしれませんが、履歴に依存する非線形解析などでは大きな意味を持ち、これをうまく活用するよって複雑な状況を再現することも可能になります。
解析ステップの作成方法
モデルツリーにおいて、ステップの項目の右クリックメニューから"作成"を選択します。この時、ステップモジュールに自動で切り替わります。
上記操作で現れる"ステップの作成"ダイアログにおいて、プロシージャタイプ:線形摂動、Static,Linear perturbationを選択して、続けるボタンをクリック。名前を適宜変更しても構いません。
上記操作で現れる"ステップの編集"ダイアログはデフォルトをそのまま受け入れてOKボタンをクリックします。
<補足>
プロシージャタイプには一般と線形摂動があります。マニュアルなどには一般で解析する方法が載っていることが多いです。一般解析ステップでは線形から非線形まで対応できますが、明らかな線形解析の場合は線形摂動解析ステップを利用したほうが便利な場合がありますので、ここでは敢えて線形摂動解析のプロシージャを用いることとします。
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荷重条件の定義
モデルツリーにおいて、荷重の項目の右クリックメニューから"作成"を選択します。この時、荷重モジュールに自動で切り替わります。
上記操作で現れる"荷重の作成"ダイアログにおいて、ステップで先ほど作成したステップ名(Step-1)、カテゴリで機械的、タイプで表面力を選択し、続けるのボタンをクリックします。名前を適宜変更しても構いません。
次にビューポート上で荷重を設定するサーフェスを選択します。どちらの端部でも構いませんが、@に示すサーフェスをクリックして選択し、A完了ボタンをクリック。
上記操作で現れる"荷重の編集"ダイアログにおいて、分布:均一、力:一般、大きさ:100000/25/20、と以下に示すように入力します。荷重の大きさは100[N]をmN(ミリニュートン)単位で入力しています。さらに、表面力は面積当たりの荷重であるので断面積(25×20)で割っています。その他のオプションは線形解析では使用しません。
ここで荷重の方向を指定する必要があります。これはモデル上で2点をクリックすることで指定することができます。上記ダイアログ内、ベクトルの項の"編集"ボタンをクリックします。
ビューポート内の3Dモデルで@、Aの順に片持ち梁の頂点のポイントをクリックしてベクトルを指定します。-Y方向に向いていればどの点を選択しても構いません。またここでプロンプトエリアに1番目の点を指定してくださいなどの指示が出ますので参考にしてください。
そうしますと、"荷重の編集"ダイアログに戻りますので、OKボタンをクリックして荷重条件の定義を終了します。
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境界条件の定義
注意点
まず用語についての注意点ですが、一般的に境界条件というと、荷重条件、拘束条件を総称することが多いですが、Abaqus/CAEでは主に拘束条件のことを境界条件と呼び、荷重条件は別になっています。モデルツリーを見ると、境界条件と荷重の項目があります。その他、拘束という項目もありますが、これはいわゆる拘束条件ではなく部品間の拘束、つまりは剛体結合やMPCなどを指しますので注意してください。
境界条件の定義
荷重を設定した側と反対側の端部を完全拘束していきます。もう大体解ってきたと思いますが、モデルツリーにおいて、境界条件の項の右クリックメニューから"作成"を選択します。
上記操作で現れる"境界条件の作成"ダイアログにおいて、ステップ:Initial、カテゴリ:機械的、タイプ:対称/反対称/完全固定、を選択し、"続ける"ボタンをクリック。名前を適宜変更しても構いません。
ここで境界条件を設定するサーフェスを選択するのですが、F3キーを使うなどしてモデルを回転させて、選択する面がこちらに向くようにします。
モデル上で@境界条件を設定するサーフェスを選択、Aプロンプトエリアの"完了"ボタンをクリックします。
上記操作で現れる"境界条件の編集"ダイアログにおいて、一番下のENCASTRE(U1=U2=U3=UR1=UR2=UR3=0)にチェックを入れます。これはすべての自由度が0にするという意味です(ちなみにソリッド要素では回転の自由度を持たないのでUR1〜3は意味を成しません)。OKボタンをクリックし、境界条件の定義を終了します。
<補足>
Uは並進変位を表し、URは回転変位を表します。後に続く数値は方向を表し、1,2,3はそれぞれx,y,zを表します
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モデルのメッシュ分割
メッシュ分割はモデルツリーの右クリックメニュからは直接行うことができません(いろいろ設定があるため)。今回はアセンブリのインスタンスを作成するときにディペンドを選択したので、パートに対してメッシュ分割を行います(それ以外の方法については別途説明します)。
メッシュモジュールへの切り替え
まずはモデルツリーにおいて、パート/Pert-1まで展開し、メッシュという項目が表示されるようにします。次にメッシュ(空)の項目の右クリックメニューからコンテキストの切り替えを選択します。コンテキストの切り替えとはモジュールを切り替えることと同義だと思います。
この操作によりモジュールがメッシュに切り替わります。ここでモデルの色が緑色に変わったと思いますが、これは現在割り当てられているメッシュコントロールのテクニックに"構造"が選ばれていることを示します(次項で説明)。メッシュ分割ができない形状の場合はオレンジ色になります。
メッシュコントロールの設定
メッシュコントロールとはどのような形状の要素をどのように作成するかを決める設定です。下図に示すメッシュコントロールアイコンをクリックします。
下図に示す"メッシュコントロール"ダイアログにおいて、要素形状:6面体、テクニック:構造を選択します。これがデフォルですので、確認だけになるかと思います。テクニックの項目の横に色が示してありますが、これが先ほど説明したモデルの色になります。構造は緑色ですね。最後にOKボタンをクリックしてメッシュコントロールの設定を終了します。
要素タイプの割り当て
さて、この辺から計算力学に関する知識がないと訳が解らなくなりがちなのですが、とりあえず説明していきます。要素に関する詳細は別途説明します。
下図に示す要素タイプの割り当てアイコンをクリックします。
上記操作で現れる"要素タイプ"ダイアログにおいて、要素ライブラリ:Standard、ジオメトリ次数:線形、ファミリ:3次元応力、6面体の要素コントロール:非適合モードを選択します。ほとんどデフォルトですので非適合モードについてだけ設定すればよいと思います。その他の詳細オプションもデフォルトでOKです。
Nastranの場合、6面体だと1次、2次程度の設定しかありませんが、Abaqusではいろいろと難しそうな設定がたくさんありますね。とりあえずこの設定がNastranにおける6面体1次要素の設定とほぼ同じになり、1次要素で問題になるせん断ロッキングの問題を回避しています。
最後にOKボタンをクリックして要素タイプの設定を終了します。
シードの定義
シードとはメッシュをどのようなサイズで分割するかということを決める設定です。モデル上に予めメッシュの基準点となる種(シード)をばらまきます。
下図に示すパートのシードアイコンをクリックします。
上記操作で現れる"全体シード"ダイアログにおいて、近似全体サイズを7と入力します。メッシュサイズは解析精度を決める上で重要なファクターですが、student editionでは1000節点以下との制限があるのでこの位が限界かと。
適用ボタンをクリックすると、下図のようにエッジ上に点が表示され、どのくらいのサイズなのかをモデル上で確認することができます。よければキャンセルボタンをクリックします。OKボタンは設定を適用させた上でダイアログを閉じます。適宜使い分けてください。
メッシュの作成
やっとメッシュを作成する準備が整いました。下図に示すパートのメッシュアイコンをクリックします。
プロンプトエリアに"パートをメッシュ分割しますか?"と聞いてきますので、"はい"をクリックします。
メッシュ分割が完了すると下図のようにモデルで確認することができます。
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解析ジョブの作成と投入
解析ジョブの作成
解析モデルが完成したので、解析ジョブを作成して計算を実行してみましょう。モデルツリーにおいて解析を展開してジョブの項が表示されるようにします。ジョブの項の右クリックメニューから"作成"を選択します。この時、ジョブモジュールに自動で切り替わります。
上記操作で現れる"ジョブの作成"ダイアログでジョブの名前を入力(デフォルトはJob-1)、モデルを選択(Model-1)します。デフォルトを受け入れる場合はそのまま、続けるボタンをクリックします。
続く"ジョブの編集"ダイアログでは色々設定はありますが、今回はすべてデフォルトで問題ありません。一応その他のタブの設定項目などを確認してOKボタンをクリックします。
モデルツリーに今定義した"Job-1"が追加されたことが確認できると思います。
ワーキングディレクトリの設定
解析結果のファイルやログファイルなどはワーキングディレクトリに作成されます。予め設定しておかないと、どこにファイルが保存されたのか解らなくなってしまうこともありますので一応設定しておきましょう。
ファイルメニューからワーキングディレクトリの設定を選択します。
"ワーキングディレクトリの設定"ダイアログにおいて新規ワーキングディレクトリに、ワーキングディレクトリに設定したい場所までのパスを入力します。ここで恐らく"選択"ボタンによってディレクトリを設定できるはずなのですがうまく設定することができません(バグ?)。したがって直接キー入力するか、エクスプローラーのアドレス欄からコピーして貼りつけるなどして入力してください。入力しましたらOKボタンをクリックして終了します。
上記は例です。ご自分の環境に合わせて入力してください。
解析ジョブの投入
モデルツリーにおいて、先ほど定義したJob-1の項の右クリックメニューから"ジョブの投入"を選択します(ジョブの名前を変更している方は適宜読み替えてください)。この操作で計算が実行されます。計算が実行中はジョブ名(Job-1)の横に"実行中"と表示され、計算が終了すると"完了"に変わります。
計算実行中(終了してからでも可)にジョブ名(Job-1)の項の右クリックメニューからモニタを選択しますと、実行中の経過を参照することができます。
下図がジョブモニタです。線形解析ではあまりメリットがないかもしれませんが、動解析中などではどの時刻まで計算が終了したかなどを参照することができます。エラーや警告なども参照できます。計算が終了すると"完了"と表示されます。
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解析結果の表示
結果ファイルの読み込み
モデルツリーにおいて、"モデル"タブから"結果"タブに切り替えます。
出力データベースの項の右クリックメニューから開くを選択します。その後、通常のwindowsの操作と同じようにファイルを選択するダイアログが現れますので、結果ファイル(*.odb)を選択して開きます。
結果表示モジュールに切り替わり、ビューポートには解析モデルが読み込まれて表示されます。ちなみに開いている"モデル"タブの方で開いている解析モデルとは無関係に結果表示操作は行うことができます。
変形図上のコンター図
まずは下図に示す"コンターを変形図にプロット"アイコンをクリックしてみましょう。デフォルトの設定で変形図、コンター図を表示してくれます。
デフォルトでは以下のようなミーゼス応力を表示する設定となっています。このようにアイコンをクリックするだけで簡単に結果を表示することが可能です。
"どのように"表示するかの設定
解析結果を"どのように"表示するかについては、ツールボックスエリアのアイコンをクリックすることで簡単に選択することが可能です。良く使いそうなものだけ説明します。その他についても操作してみればどのようなものかは理解できると思います。いろいろ試してみてください。
- @共通プロットオプション(変形倍率やシェーディング、要素エッジ表示の設定など)
- A重ね合わせオプション(変形図と原形図を重ね合わせた時の表示設定など)
- B結果オプション(平均化の設定など)
- C原形図プロット
- D変形図プロット
- Eコンター図を変形図にプロット(長押しすることでその他の表示方法も選択できるようになる)
- Fコンターオプション(コンター図のスタイルや表示範囲の設定など)
- Gシンボルを変形図にプロット(主応力ベクトルなどが表示できる、長押しすることでその他の表示方法も選択できるようになる)
- Hシンボルオプション(ベクトルのスタイルや表示範囲の設定など)
- I複数のプロット状態を許す(このツールを有効にすると、複数の表示を選択状態にすることができる。例えばCとDを選択して変形図と原形図を同時に表示させるなど)
これらはメニューバーのプロットやオプションからも設定することができます。
"何を"表示するかの設定
解析結果には変位やひずみ、応力など様々な情報が含まれますが、それらの中から"何を"表示するかについては、フィールド出力ツールバーから簡単に選択することが可能です。
<出力変数>のリストボックスから何を表示するかを選択し、<不変量や成分値>のリストボックスからその不変量(変位なら絶対値、応力なら主応力やミーゼス応力など)、成分(変位ならU1、U2・・、応力ならS11、S12・・など)を選択します。S,Uはそれぞれ応力,変位を表し、後についている数値1,2,3はそれぞれx,y,zを表しています。
これらの設定はフィールド出力ダイアログ(上図一番左のアイコン)でも設定できますし、このツールバーからよりも詳細な設定することができます。例えば複数のステップからなる解析の場合ステップの選択などはフィールド出力ダイアログから行います。フィールド出力ダイアログは結果メニューのフィールド出力からもを表示させることができます。
表示例
複数の表示状態を許して、変形図、原形図を選択。重ね合わせオプションで表示エッジを特徴線に設定すると以下のような結果表示となります。
コンター図の表示範囲の設定
ツールボックスエリアのFコンターオプションをクリックします(オプションメニューからコンターを選択しても可)。
上記操作で現れるコンタープロット・オプションダイアログにおいて、"範囲"タブに切り替え、最大/最小で"指定"オプションを選択し、それぞれ表示させたい範囲の値を入力します。OKボタンをクリックして設定を終了します。
クエリ
解析結果においてある部位(節点や要素)の値を読み取りたい場合にはクエリの機能を使用します。
ツールメニューからクエリを選択します。
上記操作で現れる"クエリ"ダイアログにおいて、値の測定を選択します。
上記操作で現れる値の測定ダイアログにおいて、例えば下図のような設定にすると、モデル上でクリックした節点の応力値をリストすることができます。またクリックしなくともダイアログ内にリアルタイムでその部位の値が表示されます。
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以上、基本的な機能に絞って説明してきました。本チュートリアルを一通りやってみることで一連の操作の流れが理解できたのではないでしょうか。操作方法に関する思想はある程度統一されていますので、その他の機能についてもいろいろ試してみることで理解できると思います。とにかくやってみることが習得への近道です。ここに書いていないことでもどんどんチャレンジしてみましょう。