TOP->CAE技術->CAEの効果的活用法

9.組織体制について|CAEの効果的活用法

組織体制についてはいろいろな方法が考えられ、どのような体制がベストかについては各社の事情により異なると思います。また私自身もどのようにすべきかについて検討中なところもありますが、大きく分けて2つの体制が考えられます。

CAE技術者を設計グループの中に入れる

ひとつは、設計グループの中にCAE専門家を入れるという体制が考えられます。CAE技術者は設計者が対応困難な解析を担当し、シミュレーションしたい状況をしっかり把握した上で、責任を持って自ら解析方針を立案、モデリング、解析実行、その後の評価まで行ってもらいます。このような体制にすることで、設計者とCAE技術者とのコミュニケーションが取り易くなります。それぞれの立場で意見し合うことでより良い製品に作り込めるのではないでしょうか。

しかしこのような体制はデメリットとしてCAE技術の統括ができなくなってしまいます。よってCAE全般を統括してマネージメントする組織は別途必要かもしれません。そのような組織があれば、前項のCAE技術者の役割で述べた、解析標準の作成や新技術の開拓にも対応できます。

CAE専門部署を立ち上げる

もうひとつは、CAE専門の部署を立ち上げて、各設計グループから依頼される解析案件を一手に請け負って解析業務を行う体制です。そうすることで社内のCAE技術を統括することができ、前項のCAE技術者の役割をすべて担うことも可能です。それなりに多くの人員は必要になるでしょうけど。。

しかしこのような体制のデメリットはやはり、設計者とCAE技術者とのコミュニケーションが取りづらくなるところです。また部署が異なるので依頼書などの手続きが面倒になったりで、いろいろとフットワークが重くなりがちです。円滑に設計検討を進めるためには、組織間の仕事のやり方の仕組みなどをうまく考える必要もありそうです。

[前へ] | [次へ]