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5.メッシュ作成|FEM構造解析基礎

メッシュ作成

FEMでは解析対象を細かな要素に分割し、その要素の集まりとして全体の形状を表現します。要素の集まりをメッシュと呼び、CADから取り込んだジオメトリーデータに対して要素分割することを"メッシュを切る"や"メッシュを貼る"などということもあります。

要素の一つ一つの形状は2次元であれば三角形や4角形、3次元であれば4面体や6面体など、数学的に表現できる単純な形をしています。このような単純な形をした要素の集まりで複雑な部品形状を表現するのは難しそうですが、メッシュを細かくすることにより、もとの形状を正確に表現できるようになります。しかし、メッシュが粗いとカクカクした形状となり、曲面などをうまく表現できなくなるとともに、解析対象の応力分布もうまく表すことができなくなり、計算精度が悪くなります。


図5-1.穴あきプレート(1/4モデル)に2次元メッシュを作成したところ

ではメッシュは常に細かく切ればよいのではと思われるかもしれませんが、そうはいかない事情があります。メッシュが細かくなればなるほど節点の数が増えますので、解くべき連立方程式のマトリクスサイズが大きくなり、計算時間が増えてしまいます。また、メモリやハードディスクなどコンピュータのリソースもたくさん必要になりますし、それに伴って作業中のレスポンスも悪くなり、モデル化や結果表示などの操作でいちいち待たされるなど作業効率が低下してしまいます。

一番良いのは、応力が局部的に高くなるようなところ(応力勾配がきついところ)のみ細かなメッシュを作成して、その他のあまり応力変化がないようなところは粗いメッシュにするというやり方です。これは非常に有効なやり方で、モデルの規模を小さく抑えながら計算精度を確保することができます。

しかし、形状によっては応力が局部的に高くなるようなところが事前に判断できない場合があります。その場合はとりあえず全体に粗いメッシュを作成して予備的な解析を実施します。これにより応力集中箇所が大体特定できますから、その部分に改めて細かなメッシュを作成し、本番の解析を実行します。実はこれを自動で行ってしまうソフトウェアもあります(アダプティブ法)。

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