3.モデル化検討@|FEM構造解析基礎
モデル化の範囲を決める
解析モデルを作成する前に解析対象の設計条件をよく理解して、これからシミュレーションしようとしている現象を再現するために必要な構成要素を的確に抽出することが重要です。例えば車両のある一部品の強度を評価したいのに、車両全体をモデル化する必要はないかもしれません。もしかしたらその対象部品だけで済むかもしれません。要はどこまでモデル化する必要があるのかをよく検討すべきだということです。
ここであまり範囲を狭く絞り込んでしまうと、他の部品との影響が考慮されなくなりますので、実際の現象を再現できなくなってきます。逆に広く設定しすぎるとモデル規模が大きくなり、モデル化に要する工数の増大、計算に要する時間の増大、ファイル容量の増大など、いろいろ問題が生じてしまいます。
重要なことは以下です。
- 工学的に現象を再現するにはどの程度の範囲をモデル化する必要があるのか?
- 要求される計算精度はどの程度か?
- モデル化に許される工数はどのくらいか?
これらを考慮して、モデル化の範囲を総合的に判断することが非常に重要です。