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4.CAEツールの種類|CAE基礎

CAEツールの種類

CAEツールにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的な解析分野について紹介します。

構造解析

CAEの代表的なツールとして有限要素法を用いた構造解析ソフトウェアがあります。構造解析では設計した装置に、ある力が加わったときに各部にどのくらいの応力が発生するか、あるいはどの程度変形するか、固有振動数は何Hzかなどを計算するすることができます。これは一番普及しているツールではないでしょうか。業種にもよると思いますが製品の強度予測のために最初に導入するのがこのFEM構造解析ツールです。

ちなみに構造解析では線形と非線形に大別されます。一般に使われるのは線形です。これは材料特性が線形(つまり弾性域内)で近似できること、かつ変形が微小であることが前提となっている理論にもとづいて展開されています。そのため大きく変形して塑性してしまうような問題やゴムのようにそもそも線形に近似し難い材料を用いる場合(材料非線形)や、弾性域内でも長尺物などように変形が大きなもの(幾何学的非線形)のような場合は、線形構造解析では解くことができません。そのような場合は非線形構造解析を実施する必要があります。

流体解析

流体解析では定義した流れ場において流体の速度や圧力などが計算できます。たとえば自動車でいうと車体周りの流れやエンジンルーム内の流れを確認するのに使用されています。流体解析では単に流れの様子だけを計算するのではなく、熱流体解析といって熱との連成問題なんかも計算できるソフトウェアが多いです。

伝熱解析

熱流束や発熱などの熱源、および周囲への熱伝達などを定義して、構造物全体でどのような温度分布になるかを計算します。熱伝導解析で得られた温度分布を熱応力解析などに利用したりします。しかし、最近の解析ソフトウェアは熱伝導と応力解析を同時に行うことができるようになっているものも多いようです。

磁場解析

磁場解析では、永久磁石や電流などにより発生する磁場の分布を求めることができます。またそれにより発生する電磁気力も求めることができますので、モータの開発などでよく利用されるようです。しかし私は今までこの分野の解析はしたことがなく、あまり書けません。どなたか補足してください。

音響解析

ある音源を設定して周囲の音場がどのようになるのかを計算します。車室内や排気マフラー、吸気系の音響特性解析によく利用されています。また、音響解析単独だけでなく、構造との連成問題でもよく利用されています。たとえば構造物が振動して音を発生するような場合です。振動と音は切っても切れない関係なので、連成させて解くべき問題も多いようです。

機構解析

機構解析ではコンピュータ上で設計した製品の実際の動きをシミュレーションできます。これにより製品の稼動状態における各部の変位、速度、加速度、力などが解り、狙い通りの性能が出るか、あるいは手計算では算出することが困難な動的に動いた状態における荷重を算出して、強度的に大丈夫かどうかなどを確認することができます。

代表的なソフトウェア

最近は上に挙げたいろいろな解析分野を統合してひとつのソフトウェアで実現できるような製品が多いです。しかもすべて連成して解けるようになっているものもあります。またCADとも統合された製品もあり設計しながら解析する流れがシームレスに行えるようになってきています。

CAEリンクのページに代表的なCAE関連ソフトウェアを扱っている会社の一覧を載せていますので、こちらを参照ください。

→CAEリンク

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