2.設計アプローチ|CAE基礎
従来の設計アプローチ
通常、製品開発ステップにおいて、設計工程の後には設計した製品を試作して性能や耐久性が満足するかなどを、実機による試験で確認する品質確認工程があります。この品質確認工程において製品の問題点を洗い出し、設計にフィードバックして、また設計をやり直します。
設計のやり直しにはそれ自体に大きな工数が発生しますし、試作品を作るにも費用が発生します。また、開発期間もどんどん延びてしまいます。CAEが普及する以前には、多くの時間・費用をかけてこの設計工程⇔品質確認工程のループを何回かまわすことで製品の品質を向上させ、より良い製品に仕上げてきたわけです。
しかし、このような製品開発のアプローチは先にも述べたように多くの時間・費用がかかってしまいます。製品開発を効率的に行うには設計のやり直しを極力減らすことが重要です。そのためには設計工程において製品の品質を的確に予測することが必要になります。
CAEを活用した設計アプローチ
ここでCAEの出番です。CAEを用いると設計段階においてこれから開発する製品の品質を事前に予測することができるようになります(もちろんちゃんと予測できるようになるにはたくさんのノウハウが必要ですので一筋縄にはいきませんが・・・)。
これにより試作品を作る前の設計工程で品質の作りこみができるようになります。これがしっかりできるようになると、後の品質確認工程において品質上の問題が減り→設計のやり直しが減り→開発期間の短縮!となるわけです。更には品質向上、部品コスト削減などにも大きく寄与できるようになります。