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8.形状関数|FEM基礎理論

4項では形状関数として下式のように表すこととし、その中身については触れませんでした。

 ・・・(4-2)

本項では1次元ロッド要素における形状関数の導出方法について説明します。

1次元ロッド要素の形状関数

図8-1

1次元ロッド要素を右図のように定義します。i番目のロッド要素の左側の節点をi、右側の節点をi+1とします。それぞれの節点の座標値はxi、xi+1、変位はui、ui+1で表されます。また要素の長さはxi+1-xiですが、これをhとします。

要素内の変位を下式のような1次の関数で近似することとします。

 ・・・(8-1)

そうするとi番目、i+1番目の節点においては下式のように表すことができます。

 ・・・(8-2)

 ・・・(8-3)

これをマトリクス表記しますと、

 ・・・(8-4)

未知数a,bについて解いていきます。

 ・・・(8-5)

ここで、xi+1-xi=hであることを考慮すると、

 ・・・(8-6)

ここで、式(8-1)は以下のようにも表すことができます。

 ・・・(8-7)

式(8-7)に式(8-6)を代入します。

 ・・・(8-8)

式を整理して、

 ・・・(8-9)

ここで、

 ・・・(8-10)

とすれば、式(8-9)は下式のようになります。式(4-2)と同じですね。いろいろ計算して元に戻った感じですが、ここではN1,N2の中身(8-10)を具体的に求めることが目的です。

 ・・・(8-11)

本項で求めたN1、N2は形状関数と呼ばれ、用いる要素の種類により異なります。

有限要素法ではこのような形状関数を定義することで、使う要素には関係なく定式化をすることができます。FEMソフトウェア内でいろいろな要素を自由に選択できるのはこのためです。

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