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04.離散化|FEM基礎理論

本項では1次元の棒の長さを示す積分区間0〜lをn個の区間(要素)に分割し、前項で求めた式(3-7)を近似的に解く準備をします。

要素分割

ここでは下図のように積分区間0〜lをn個の要素に分割します。そしてその分割された各端点の座標値にx1〜xn+1と名前を付け、それぞれの変位をu1〜un+1と定義します。したがってi番目の要素はxiとxi+1の節点座標を両端に持ち、その変位はuiとui+1ということになります。このような処理を離散化といいます。

図4-1

離散化された有限要素式の導出

このように離散化すると、式(3-7)は下式(4-1)のように表すことができます。離散化された個々の要素の変化の総和が全体の変化を表す式となっています。

 ・・・(4-1)

ここで要素内の変位uをその要素の端部の変位(uiおよびui+1)とある既知関数(N1およびN2)の和として下式(4-2)のように近似します。N1およびN2は形状関数と呼ばれています。ここではとりあえずその中身については触れません。

 ・・・(4-2)

ガラーキン法による定式化では任意の関数vにuと同様の関数を用いる方法ですので、vに関しても下式(4-3)のように近似することができます。

 ・・・(4-3)

uおよびvの微分は以下のようになります。

 ・・・(4-4)

 ・・・(4-5)

よって、式(4-1)の左辺、uとvの微分の積の部分は以下のようになります。

 ・・・(4-6)

これを用いれば式(4-1)の左辺は次のように展開することができます。

 ・・・(4-7)

{v}および{u}ベクトルは定数ですので積分の外に出しました。 さらにここで、

 ・・・(4-8)

としますと、式(4-7)は下式のようになります。

 ・・・(4-9)

また式(4-1)の右辺第一項に式(4-3)を代入すれば、

 ・・・(4-10)

更に式(4-1)の右辺第二項は、下式(4-11)のようになります。

 ・・・(4-11)

よって式(4-1)の右辺は下式(4-12)のようになります。

 ・・・(4-12)

ここで、下式(4-13)のようにおきますと、

 ・・・(4-13)

式(4-1)の右辺は下式(4-14)のようになります。

 ・・・(4-14)

よって最終的に式(4-1)は下式(4-15)のように変換されました。これが離散化された1次元構造解析の有限要素式となります。

 ・・・(4-15)

ここで、式(4-17)の左辺、[K]マトリクスを示す式(4-8)は要素iにおける要素剛性マトリクスと呼ばれます。右辺{f}ベクトルを示す式(4-13)は、要素iにおける要素荷重ベクトルと呼ばれます。

要素剛性マトリクスや要素荷重ベクトルの中にはまだ積分式が残った形式となっていますが、後でその詳細については説明することとします。

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