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02.支配方程式の導出|FEM基礎理論

本項ではまず構造解析で使われる支配方程式を求めます。ここでは話を簡単にするために1次元で考えることとします。

支配方程式の導出

静的釣り合いの条件式

図2-1

図2-1に示すように1次元の構造部材の内部応力に着目した釣り合い条件を考えます。1次元ですのでx方向のみ考えます。

力の釣り合いですので、図中左側の断面に発生している応力σに断面積Aを乗じて力としたものと、右側断面に発生している応力σ+Δσに断面積Aを乗じて力としたものの和は0になるという式を立てます。ここではさらに単位長さあたりに発生する物体力bも考慮し、それらの総和を0(つまり釣り合っている)とします。ここで物体力とは例えば加速度によってモデル全体に働くような荷重を想定しています。

 ・・・(2-1)

式(2-1)を少し整理しますと下式(2-2)が得られます。

 ・・・(2-2)

ひずみと変位の関係式

変位をuとすれば、ひずみεはその長さ方向の微分で表されます(詳しくはこちら)。

 ・・・(2-3)

応力とひずみの関係式

これはお決まりの式ですね(詳しくはこちら)。

 ・・・(2-4)

1次元構造解析の支配方程式

式(2-4)に式(2-3)を代入して

 ・・・(2-5)

さらに、式(2-5)を式(2-2)に代入します。そうしますと、最終的に1次元の構造解析の支配方程式が下式(2-6)のように得られます。

 ・・・(2-6)

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