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4.音響解析|XFEM操作マニュアル

XFEMの基本的な使い方に関しては基本操作を参照してください。ここでは音響解析固有の説明をします。

音響解析概要

XFEM-音響解析では2次元閉空間の音場を計算することができます。また、壁面に音響アドミタンス境界条件を設定することにより、エネルギ消散をモデル化することもできます。これにより簡易的に吸音材や開口端等をモデリングすることができます。

支配方程式

k=ω/C、ω:角速度、C:音速

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境界条件

XFEM-音響解析では以下の境界条件が利用できます。

境界条件 シンボル
境界の音圧 P
境界の粒子変位 U
境界の音響アドミタンス G or PIPE

音響アドミタンスに関して

音響アドミタンスは壁面でのエネルギー消散をモデリングしたものです。これにより簡易的に吸音材や開口端をモデル化することが可能となります。

音響アドミタンス周波数により異なる特性を持つため、周波数ステップ解析を行うとき不都合が生じます。したがって、XFEMでは丸パイプの開口端の場合のみですが、形状指定による音響アドミタンス自動計算機能を設けました。これにより周波数ステップ解析時、周波数に対する壁面の音響アドミタンスが自動で計算され、その値を用いて全体の音場を解析します。このときシンボルはPIPEと表示されます。丸パイプ以外の条件のときは直接音響アドミタンスを境界値として入力してください。

丸パイプの開口端音響アドミタンス計算式

β=-i/tan(k・α)

ここで、

  • β:音響アドミタンス、i:虚数、
    k=ω/C (ω:角速度、C:音速)
    α=0.61a(フランジ無し)
    α=0.82a(フランジ有)
    a:管半径

音響アドミタンス境界条件設定方法

<直接音響アドミタンスを入力する場合>

値で指定にチェック→値を入力

<形状で指定する場合>

形状で指定にチェック→管直径を入力→開口端補正を選択→音速を入力

最後にOKボタンをクリックして完了です。

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要素特性

要素の特性は以下を与えます。単位は解析モデルの単位系により適切な値を入力してください。

  • 名前
  • 密度
  • 音速

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観測点の定義

観測点は任意の節点に対して定義し、周波数ステップ解析時に各周波数における計算値を保存しておくために利用します。観測点の数に制限はなく、複数定義できます。計算結果は各観測点の計算値(音圧)を周波数-音圧のグラフで表示されます。

右図中の青色の球が観測点のシンボルです。

ちなみに円柱のシンボルは境界条件を示します。

観測点は以下の方法で定義します。

XFEM-音響解析 / モデル作成 / 観測点

操作メニューの観測点をクリックすると、オブジェクト選択ダイアログが現われます。コンボボックスに節点が選択されていることを確認して、解析モデル上で計算結果をモニタリングしたい節点をクリックします。節点が選択状態になったら、決定をクリックします。

XFEM-音響解析 / モデル作成 / 観測点 / 決定

ここで観測点名の入力を促されますので何かわかりやすい名前を入力しOKボタンをクリックします。ここで入力した名前は結果参照時に利用されます。

一度に1節点しか観測点を定義することができません。
複数の観測点を定義する場合はこの操作を繰り返してください。

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計算条件

XFEM-音響解析では以下の2種類の解析が行なえます。

  • 通常解析
  • 周波数ステップ解析

設定は以下で行ないます。

XFEM-音響解析 / 計算条件

通常解析

周波数を指定して音圧分布を計算する方法です。
上図のダイアログの周波数の項目に計算したい周波数をします。このとき周波数ステップ解析を実行のチェックを外してください

周波数ステップ解析

周波数範囲周波数間隔を設定して、各周波数ごとの音圧分布を繰り返し計算します。このとき 周波数ステップ解析を実行にチェックすることと、観測点を定義することを忘れないでください。周波数ステップ解析の結果は観測点でモニタリングした値をグラフで表示します。
また、通常解析と同様に周波数の項目にも値を入力する必要があります。ここで入力した周波数のときの計算結果が音圧分布図として表示されます。

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結果の参照

計算後、参照できる値は次の3つです。

  • 音圧
  • 音圧レベル(単位:dB)
  • 周波数ステップ(グラフ)

音圧

音圧を分布図としてモデル上に表示します。

音圧レベル

音圧レベルを分布図としてモデル上に表示します。音圧レベルとは基準音圧P0と計算値の音圧Pとの比をlogで表したものです。計算式は以下です。

音圧レベル=20*log(P/P0)

基準音圧P0は操作メニューの基準音圧により設定することができます。一般に基準音圧は規格で決まっていて0.00002 [Pa]を使用します。解析モデルの単位と単位系を合わせて入力してください。

周波数ステップ(グラフ)

操作メニューの周波数ステップをクリックすると、以下のようなグラフを表示するダイアログが現われます。

<周波数ステップ解析結果ダイアログ使用方法>

・表示するデータ選択する
ダイアログ右上の観測点コンボボックスに、先に定義した観測点がすべてリストされますので、その中から表示したい観測点名を選択します。
・データを読む
表示設定の値の参照チェックボックスにチェックを入れて、グラフ表示窓の下にあるスライドバーを移動させます。そうすると図のように、周波数と値が参照できます。
・音圧レベルで表示する
表示設定の基準音圧に適切な値を入力して、SPL表示チェックボックスにチェックを入れます。
・2つの観測点の差を表示する
表示設定の差を表示チェックボックスの下にあるコンボボックスで、現在表示させてる観測点値から差をとる観測点名を選択し、差を表示チェックボックスにチェックを入れる。
・表示データの抽出
抽出したいデータをグラフに描画中に、データ表示ボタンをクリックします。そうするとグラフで描画しているデータが別ダイアログにテキストとして表示されます。データをすべて選択してコピーすれば、外部の表計算ソフト等に貼り付けすることができます。

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