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3.ひずみゲージ貼付箇所の選定、計測方法|実測値による検証方法

製品の強度評価のための試験においては、応力集中が予測される部位にひずみゲージを貼付して応力を計測することが多いですが、そのような部位は計測上もFEM上も誤差の大きい部位でもあります。そのような誤差の大きい部位で計測した実測応力値によって、FEMモデルを検証しようと努力しても無理があります。FEMモデルの妥当性を検証するためには、強度評価のための計測方法とは異なる方法論が必要になります。

ひずみゲージ貼付箇所の選定

強度評価においては応力集中が予測される部位など、市場に出てもその製品が壊れないかどうかを評価するため応力を計測します。しかし、FEMモデルの妥当性を実測値により検証する場合には、評価対象の変形形態や入力される荷重が検出できるような部位にひずみゲージを貼付するようにします。

変形形態や入力される荷重を効果的に検出するためには、ひずみゲージを主要な構造部材全体に亘るように貼付します。偏りがあると一部の変形は検出してもそれ以外が検出できなくなり、結果として全体の挙動をとらえることが困難になります。また、ひずみゲージは応力集中箇所は避けて、比較的高い応力が検出されるであろう母材部を選定するようにします。方向は基本的に主応力方向を狙うようにしたいですが、予測困難な場合にはロゼットゲージなどを使用して後処理で主応力と、その方向を求めることもできます。

このような母材ベースの計測値を元に解析値と照合を行い、全体的な挙動が再現できているかをまずは確認していきます。これによりFEMモデルの妥当性が実証できた後、応力集中箇所などの検討に入るべきです。

応力以外に対象の動的な挙動を検出する手段として、加速度を計測する方法もあります。一般に重心位置付近に加速度計を取り付けることで、加速度の時間的な変化からどのような動きをしているのかを特定することが可能です。また加速度が解れば、その計測対象に加わっている荷重も同定することが可能です。

計測方法

計測した応力のデータというものは、通常時刻歴のデータとして記録されているはずですが、最大・最小応力値しか記録として残さない場合があります。しかしこれではいつの時刻で発生した応力なのかを特定することができません。時刻歴のデータがしっかり残るような計測のやり方をするようにしましょう。または、このようなデータが得られるように実験部門などに予め依頼しておく必要があります。

今回はFEMモデルの妥当性を検証することを目的とした実験データの測定方法について書きましたが、これは検証用として特別に計測するということではなく、通常の強度評価のための試験時に、FEMとの検証用のひずみゲージや加速度計を加えてもらうようにした方が効率的です。実験や試験をする部門が別な場合には、その理由をしっかり説明して、日常的に計測してもらえるように調整しましょう。そのような仕事もCAE技術者の仕事です。このようなデータを積み上げ、実測値による検証作業をしっかり行っていくことで、FEMの解析精度は徐々に向上し、ひいては設計開発において効果的にFEMを活用できるようになっていくのではないかと考えます。

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