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タイトル解析者の担当範囲
記事No982
投稿日: 2010/10/09(Sat) 00:42
投稿者BONBORI
はじめまして。

みなさまのご意見お聞かせいただければと思い投稿させて頂きます。

当方、某CAEコンサル会社に勤めているものです。
FEM解析経験年数は5年です。
只今、某大手メーカーさんの設計部署にFEM解析技術者として出向しています。
ちなみにその設計部署でCAE(3D_CADによるモデリング、プリポスト処理、ソルバーの使用等など。。。)を使えるのは当方のみとなりまして、
種々のFEM解析(応力、熱、振動解析等)は当方が一手に引き受けております。

先日以下のようなことがありました。
設計担当者から応答解析の依頼を受け、A,B,C3つの異なる条件が提示されました。
解析結果を設計担当者にお渡ししたところ、
Cの応答波形がA,Bと違う出方をしているので解析が間違っていないか調べて欲しいといわれました。
そこで、当方でCの解析条件を調べたところ間違いないことを確認し、
また、当方にはCの応答波形が特別逸脱した結果に見えないのでその旨報告すると、
設計担当者曰く、「解析自体は間違っていない(大外しはない)だろう。但しC波形についてはどうしても納得できない。」
というものでした。
そこで当方が、C波形のどこがどう違うのかもっと納得できる形(想定では何Hz辺りにピークが出るとか谷間が出るとか)で説明して欲しい。
と、迫ったのですが納得できる回答は頂けませんでした。
(Cのこの谷間の形状がA,Bにはない!の一点張りでした。
なぜCだけにあってはいけないのか、根拠は説明されませんでした。完全に見た目だけじゃね〜か?と心の中で…。)


最終的な結論は当方の方で、納得の出来る技術的理論を説明するか、
その現象を理解できる予備解析を何か考えて示すように言われました。


そこで皆様のご意見を伺いたいことは下記の2点です。
@当方に納得の行く説明が出来ないのであれば、設計担当者自身が
予備解析の条件を提示してくるべきではないか?
Aそもそも解析者自身が設計者の知見向上の為の補填まで面倒見なきゃならないのか?
(もちろん当方の知見の低さは承知しておりますので日々勉強です…。
この自分がした勉強も設計者に提示しないといけないのか?とも思ってしまいます…。)

以上です。
なにぶんまわりに同業者の仲間がいないもので、自分の考えが的外れなのか気になりまして。
皆様の率直なご意見をお聞かせください。

乱文失礼いたしました。

タイトルRe: 解析者の担当範囲
記事No984
投稿日: 2010/10/09(Sat) 22:56
投稿者Qwe
投稿を拝見いたしました。

某大手機械メーカに勤務している設計者です。
設計でも構造解析が主体です。
FEM解析経験年数は約30年ほどになります。
私の部署にもCAE解析の社外の担当者が何人かいます。

私の考えは以下の通りです。

@について
設計担当者がどういう考えで、どういう目的で解析を使用としているのか説明がないのだとしたら設計者に問題があると思います。
予備解析の条件というのが良くわかりませんが、あなたがただ解析条件を与えられただけなのなら設計者側の配慮が足りないと思います。
しかし、逆を言えばなぜその解析が必要なのか、どういう目的でやるのかということを設計者に説明を求めたのでしょうか。もし、そういった質問もなしに解析を始めたのであれば、解析者の側にも問題があると言えるでしょう。
また、解析結果についての説明の責任は解析者側にあります。設計者になぜCだけ違うのかの説明を求めるのには無理があります。設計者には、なぜおかしいと思うのかについては説明できるだけです。従って、解析結果がおかしくないなら、おかしくないことを設計者に説明できないことは、解析をきちんと責任を持ってやっていることにならないと思います。ですから、納得のできる技術的理論を説明するか、その現象を説明できる予備解析を求められるのは当然だと思います。

Aについて
解析結果によって設計者が知見を向上するのはある意味では当然です。あなたが解析を依頼されることで製品の設計上の問題点を知り製品についての知見を得ることができるのと同じです。文面を意地悪く見れば自分の多少のFEM解析に関する知識を鼻にかけ、設計者がFEM解析の知識のないことをばかにしているようにも取れます。
5年程度実務をやった程度では、ようやくそれなりにFEM解析ができるようになったところで、あなたはまだまだ学ぶことがたくさんあるでしょう。知らないことを謙虚に学ぶ気持ちがあるなら、知っていることは教えても良いと思いますがいかがでしょうか。
設計者に俺と同じFEMの知識を持つまでその設計者には説明しないと言うつもりなのでしょうか。

(蛇足)
あなたがCAEソフトのオペレーターとして雇われていて、言われた解析条件を計算して結果を渡すことだけが仕事なら、私には解析結果について説明する能力はないときちんと設計者に伝えるべきでしょう。
最近はCADのモデルが作れることからちょっと手を伸ばして、材料力学も知らずにメッシュを切ってFEM解析することで、解析技術者だと勘違いしている連中が見受けられます。
そもそも、解析技術者とは何でしょうか。解析ソフトを開発する人以外は解析技術者とは言えないかも知れません。世に言う解析技術者の大半は解析ソフトオペレーターで、とても技術者とは呼べない人たちです。
あなたが、真の技術者であることを期待します。

タイトルRe^2: 解析者の担当範囲
記事No989
投稿日: 2010/10/10(Sun) 08:56
投稿者BONBORI
ご意見拝見いたしました。

おっしゃるとおり当方、経験5年ほどのまだまだ駆け出しです。
なので全ての解析について知見があるわけでなく、
今回の応答解析については結果を検証できるほど知見が無いので
お断りさせて頂いた経緯があります。

ですが、時間がないとの事で提示した条件でとにかく結果だけ出してくれと言われ、
なし崩し的に結果だけ出したのがいけなかったのかもしれません。

大変参考になりました。ありがとうございました。

タイトルRe: 解析者の担当範囲
記事No986
投稿日: 2010/10/09(Sat) 23:14
投稿者tsunodako
こんにちは。

私の感覚からいうと、メーカー設計者担当の要求はもっとものように見えます。
というのは、BONBORIさんがCAEコンサル会社から出向しているということなので、ただのソフトのオペレーターではなく、解析条件や結果に対する知見も含めて、お願いされているのではないかと思えるからです。
確かに優秀な設計者であれば、予備解析の条件を示してくれたり、そもそも設計者で解析結果を解釈できるのですが、そこまで実力がないのがわかっているので、コンサル会社の人に来てもらっているのではないか予想できます。
悪く言うと、その出向先のメーカーが解析関連はよくわかんないので結果解釈含めて丸投げしたい、ということなのでしょうが、まあここはきっちり自分が勉強して理論的技術的に見解を出して、実力を見せつけてやるのがよいと思います。

ちなみにメーカー内部もCAE部門も同じようなことやってますよ。。。

タイトルRe^2: 解析者の担当範囲
記事No990
投稿日: 2010/10/10(Sun) 09:07
投稿者BONBORI
ご意見拝見いたしました。

そうですね。当方の実力を上げて対処しようと思います。

ご意見ありがとうございました。

タイトルRe^2: 解析者の担当範囲
記事No992
投稿日: 2010/10/10(Sun) 12:42
投稿者BONBORI
tsunodako様 蛇足ですが…。

> というのは、BONBORIさんがCAEコンサル会社から出向しているということなので、ただのソフトのオペレーターではなく、解析条件や結果に対する知見も含めて、お願いされているのではないかと思えるからです。

この部分なんですよね。
出向当初はCAEオペレーター的業務と言われて配属されたんですよ。
(だから気楽にやりなよみたいな…)
しかし実際行って見るとtsunodakoさんが言われる雰囲気なのです。
オペレーターをむかえ入れる以上、設計者自身が解析結果を評価出来るものなのだと思っていました。
さらに言うならそういった方たちと一緒に仕事することで自分も成長できると思って行ったのですが…。

> 悪く言うと、その出向先のメーカーが解析関連はよくわかんないので結果解釈含めて丸投げしたい、ということなのでしょうが、まあここはきっちり自分が勉強して理論的技術的に見解を出して、実力を見せつけてやるのがよいと思います。

さらにここなのですが、
この丸投げがすごく残念なんですよね。
私としてはJIKOさんおっしゃるように協力してやって行きたいと思っているのですが、
その上で、設計、解析の両者のやりとりのなかで設計者さんの言い分に納得できない部分もあるし、
解析者側の言い分にも納得できない部分って当然あると思うんですよ。
(もちろん解析の基本的な評価をしてお互い大筋妥当だねって合意があっての話です)
そこで両者の落としどころを探して次のSTEPに進むというか
そういったことをしないで問答無用で設計者の解析結果に対する疑問は全て解析担当者が請け負うものなのかなぁ?と。
JIKOさんがおっしゃるように設計者のカンってあると思うし、
そういったものって理論的に説明するのが難しいから第三者としては理解もしずらいのかなと。
ならば設計者自身が「ならこうゆう解析してみたい」とかあってもいいのではないかなぁ?
と思った次第であります。

以上、蛇足でした。

タイトルRe: 解析者の担当範囲
記事No987
投稿日: 2010/10/09(Sat) 23:54
投稿者JIKO
技術者の勘というやつでしょうか。これは理論的に説明できないからと言って馬鹿に出来るものではなく、これまで経験に基づく優れた能力です。また設計者は必ずしも解析の事情に詳しくないので予備解析の条件を提示するのも難しいでしょう。

私の考えですが、解析担当者としてやるべきことは、解析条件が間違っていないかどうかをチェックすることは当然ですが、技術的にそうなる理由を説明する責任はあると思います。

少なくとも本事例の場合、振動モードの観点で議論すれば理由が見えてくると思います。それをしっかり確認して、例えば、この構造ではモードがこのように変化するために、その応答はこうなるのですよ等々説明すれば、納得してもらえるのではないでしょうか。

私の回答を簡単に書きますと、

@について:当方に納得のいく説明〜・・ではなく、解析者として設計者が納得できる技術的理由を説明する必要があると思います。

Aについて:解析結果は知見の向上に役立ちます。設計者、解析者がお互いに技術的知見を向上できるよう協力していく体制が重要だと思います。

タイトルRe^2: 解析者の担当範囲
記事No991
投稿日: 2010/10/10(Sun) 10:08
投稿者BONBORI
ご意見拝見いたしました。

設計者とのやりとりのなかで振動モード等の話は解析の妥当性という観点から説明はさせていただきました。
なので全体的な波形については納得してもらったようなのです。

しかし当然、解析結果の大勢に影響を及ぼさないような部分でも小さな疑問というのはあると思います。
疑問が疑問を生みさらに疑問が生まれる…。
この疑問に全て答えたいのはヤマヤマなんですが、小さな疑問に成るにつれ、
解析というよりその分野の学問的な要素が色濃くなってくるように思います。(ここでは振動ですね)
自分自身、或いは設計者ともに知見を深めるといった意味で疑問を追及していくのは良いことだと思うのですが、
業務としてはやはり限界があるように思います。
(前出のQweさんがおっしゃるように結果だけ出すオペレーター的業務もありますので)
なのでどこかで線を引かなきゃいけないと思うんですよね。

ただやっぱり自分の知見を深めることは日々努力していかなければならないですよね。

ありがとうございました。大変参考になりました。